WE21ジャパンとは

市民から寄付された衣類や雑貨を販売するリサイクルショップ「WEショップ」を運営するWE21ジャパン地域NPOと連携して、住むまちでリユース・リサイクルを進めるとともに、その収益で、主にアジアの女性たちが自立して暮らしていけるよう民際支援を展開しています。

設立の経緯

○設立のきっかけ

 イギリスの国際協力NGO「Oxfam」が運営するチャリティのリサイクルショップ「Oxfamショップ」を視察した女性たちが、Oxfamショップの品物寄付とボランティアの仕組み、そして日本人の「もったいない」の精神を生かして、神奈川県にモデルをつくろうと、1998年に「WEショップ」第1号店を厚木市にオープンさせました。その後、「WEショップ」に賛同するNPOが神奈川県内に次々と誕生し、現在は35のNPO(以下、WE21地域NPOと呼ぶ。)が、総計54店舗の「WEショップ」を運営しています。

○名前の由来

 「WE」はWomen's Empowermentの略で、女性たちが力をつける、21は21世紀、ジャパンは日本を意味しています。「WE21ジャパン」には、「21世紀に生きる私たちが、日本でのリユース・リサイクルを通して、アジアの女性たちが自立して暮らせるよう支援するという活動を、ダイナミックに日本全国に展開させ、また、アジアの女性たちと連携して力をつけ、アジア地域に平和を築いていこう。」という思いが込められています。

定款

ダウンロードはこちら

WE21ジャパンの活動

アジアに住み暮らす人々が平和に暮らせる社会をめざして、「身近にできることからやってみよう」とリユース・リサイクル事業、民際支援事業を行っています。

リユース・リサイクル事業

市民から寄付された衣類や雑貨をWEショップで販売することで、資源を有効にリユース・リサイクルして、地域循環型の社会をめざしています。

 

○リユース・リサイクル事業

 市民から寄付された衣類や雑貨をWEショップで販売。資源を有効に活用し、地域循環型の社会をめざしています。

 

○資源は、不平等に配られている。

 地球にある資源やエネルギーには、限りがあります。世界のたった20%である先進国に住んでいる私たちは、世界中の80%もの資源やエネルギーを使い、無駄に捨てています。そして世界の80%である発展途上国に住む人々は、世界中のたった20%の資源を大切に分け合って暮らしています。このように地球にある資源は、不公平に配られているのです。

○地域で資源を循環!

 私たちの物資に恵まれた豊かな生活は、アジア地域の資源や、安い労働賃金に支えられています。そこでWE21ジャパンは、その生活を見直して、不公平にできている世界に対して「できることからはじめよう」と、リサイクルショップ「WEショップ」をはじめました。「WEショップ」では、市民から家庭で眠っている衣類や雑貨を寄付してもらい、値段をつけて販売しています。現在では、35のWE21地域NPOがそれぞれの地域で54店舗の「WEショップ」を運営、不用になったモノに新たな使用価値を生み出し、地域のなかで資源を有効に活用しています。

 

○モノは送りません!

 寄付してもらった衣類や雑貨は、WEショップで販売。そのままアジア地域に送ることはしていません。なぜならそれは、もしかしたら現地でゴミになるかもしれない、その地域の文化や経済を壊してしまうかもしれないと考えるからです。


○WEショップで1石4鳥!

 「WEショップ」には、寄付する人、買う人、ボランティアする人を含めると、年間55万人の市民が参加、3億円もの経済価値を生み出しています。また、寄付された8万9千件もの衣類や雑貨は500トンにのぼり、地域のなかで循環されることによって、ごみの削減と自治体のごみ処理費用の削減にも貢献しています。また、地球温暖化の側面からも、WEショップに寄付されないで、ごみとして焼却され、大気中に排出されていたであろうCO2の量は、なんとディズニーランド半分もの広さの森林が吸収するCO2に匹敵するのです。(2006年度データ)

民際支援事業

WEショップの収益で、主にアジアの女性たちが自立して暮らしていけるよう支援を行っています。その地域に生活する人たちが、自分たちで課題を解決できる力=自立する力をつけ、一人ひとりが持っている力が発揮できるような支援を大切にしています。

○支援の特徴

1.顔の見える民際支援
 普通に生活する市民が主体となって、知恵や労力、お金を出し合いながら連携して、生活向上と自立に向けた活動を進めています。市民が力を高める学びの場づくりや、互いの地域を訪問し合い、課題を分かち合う、顔の見える関係を築くことを大切にしています。

2.支援先は主にアジア
 現在の日本はアジア地域からの資源や労働力を得て経済を発展させてきました。また、第二次世界大戦では日本はアジアの国々を侵略し多くの被害を与えてきました。こうした歴史への反省から、市民同士の草の根交流を通じて、人と人との信頼関係を築き、平和な社会をつくっていきたいと考えています。

3.なぜ女性の自立支援か・・・
 世界で貧困状態にある人々の約70%、文字が読めない人の2/3が女性であるといわれるように、女性は社会的に弱い立場に置かれています。農業、子育て、家事をはじめ多くの労働を担う女性が力を高めていけば、将来を担う子どもたちを育む大きな力になり、社会を変える力となっていくでしょう。

リメイク

○あふれる古着にストップ!

WEショップに寄せられる寄付品の有効利用・再資源化を進めるため、リメイクのアイディアや技術を発信しています。

 全国から寄付された品物は、WEショップで販売されますが、縁がなくて販売されなかった衣類は、故繊維業者に送られて再度、リユース・リサイクル(衣類として海外へ輸出、工場用雑巾、断熱材など)されます。しかしウールの着物は海外ではリサイクルができません。そこで、故繊維業者も引き取らなかった大量のウールの着物を、「もう一度生き返らせたい!」と、リメイクをはじめました。 

 現在では、ウール以外の生地でできた衣類のリメイクにも取り組んでいます。古着の魅力やリメイク・リフォームなどの価値を高め、自分らしく装う新たな「衣」の文化をひろげる取り組みを行っています。"もったいない"、ほかの何かに"生き返らせたい"と思う一人ひとりが、リメイクを通して自分の行動や生活のあり方についてあらためて考えてみること、それが環境問題への取り組みにつながるのです。